今日はずっと前に一人で夜のクロスカントリーに行った時のことを書きたいと思います。その時のルートはベース空港のバトンビル空港からバリー・オリリア空港まで下記のように殆ど一直線でした。途中にある大きな湖はシムコ湖。フレミングの左手の法則のような形をしてます。これを少し避けるようなルートでした。
スカイコンディション(雲)は1600フィートに全天の1/8~2/8がちぎれ雲(積雲)、そして2500フィートに全天の5/8の層積雲があるとのこと。学校の規定でクロスカントリーに行くときは空を覆うような雲が3000フィート以下のところにあると野外飛行しちゃいけないということになっていました。でも空を見上げても空を殆ど覆うような雲なんてどこにもありません。
このように空(空港から見える範囲内で)を8分割して、その内5つのセクションに雲があればBKN (Broken、ブロークン)、8つのセクション全てに雲があればOVC(Overcast、オーバーキャスト)となりBKNからはシーリング(天井)と呼ばれ、そのシーリングが低いところにあると危険なのでVFR(有視界飛行)では飛べないということになります。
先ほど確認した情報はなにかの間違いだろうとディスパッチャー(フライトスクールの場合だと受付に該当)に聞くと、ATISがそういっている以上飛ばすことはできないと。でもどう考えても空港の気象観測が誤っているとしか考えられないので、妻のために買い物済ませもう一度新しい情報が出る頃空港に戻り再びATISをチェックしてみたら、案の定スカイクリア(雲一切なし)と訂正されていました。
結局無事に飛行機をレンタルすることができましたが、エンジンがかからない。。風が強かった間誰も飛んでなかったのでその間にエンジンが冷え切ってしまったのです。エンジンプラグに霜が付いているイメージが頭に浮かびました。プレヒート(ヒーターでエンジンを温める)もしたんでdすけどね。。
再度気を取り直してプライマー(エンジンに燃料を供給する一種の手動ポンプ)に手を掛け6回ポンプしましたが、やっぱりかかりません。3回目チャレンジも失敗。今日は飛ばないほうがいいよって誰かがいってるのかなぁ。。。
って思いながらもう一度クランキングしたらエンジンがかかかりました!!!思わず「うおぃ!!きたきたきたぁーーー!!いいぞいいぞー!」って叫んでしまいました。やっぱりエンジンの音を聞くと心からなにかが激しく湧き上がってくるものがありますねぇ。やっぱ飛行機っていいですね。
タキシングを済ませ無事にテイクオフ。しかし予想していたとおり北からの向かい風が相当きつく、ハイウェイにそって北上しているとき、下に走っている車をみると同じくらいの速度で進んでいました。小型飛行機の速度は約100ノット。時速185kmくらいです。ハイウェイの車が時速100kmくらいで走っていたらその1.8倍は速く進めるんですけどね。ヘッドセットをしていても風の音が聞こえました。それは時々すぐそばにまるでジェット機がいるかのように思ったくらい凄まじい音でした。
目的地付近に近づいてきました。昼間行ったことのある空港ですが夜は初めて。少々不安でしたがルートに沿っているのは間違いありません。するとやがて空港のビーコン(岬にある灯台のような光)が見えました。
目的地のバリーオリリア空港の空港灯火(ARCAL)のタイプはK。これは夜間普段は消えて真っ暗ですが、操縦桿にあるマイクロフォンのスイッチを7回クリックしてやると滑走路灯などが15分間点灯し、点灯後3回クリックすると消えるような仕組になっていいます(code AS)。
ビーコンのそばに目を向け7回クリックしました。するとばばばぁーっという感じで滑走路灯が点灯していきます。何か無性に幸せな気分になって、なぜか笑いがとまりませんでした。
横風は10ノット近くありましたがなんなくタッチアンドゴーを成功。再び空に上がり空港を振り返り今度は3回クリックしてみると滑走路灯が見事に消えた!面白くて何回も繰り返しやってしまいました(本当はむやみにやっちゃダメですよ。。)。
無事に目的地に着いてタッチアンドゴーを済ませると早く帰りたくなりました。やっぱり一人で夜の野外飛行はちょっぴりさみしい。でもそんな寂しさを追い風が吹き飛ばしてくれました!帰りは超特急!地上速度を計ると200ノット(370 km/h)近くありました!行きは約50分かかったのに帰りは約20分で帰還。びっくりです!飛行機はこれだからおもしろい。
また次回の[思い出のフライト]をお楽しみに~!
次回のパイロット記事は、10. 毎年ドキドキする航空身体検査、その結果は?です!
ありがとうございます。
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