「初心忘れるべからず」
初めての時の気持ちを忘れずに昨日より今日少しでも進歩できるよう過去の自分を振り返ることは決して悪いことではないと思います。あの頃できなかった事が今はできている。できないと思っていたことはきっといつかできるようになる!今の自分を鼓舞させるためにも今の自分にとってとても重要な事柄である飛行機操縦について少しずつこのブログで自らの飛行体験を時々書いていこうと思います。今日は初めて一人で飛んだ時の事(前編)を書いてみようと思います。
日本の大学で航空工学を学んだ僕は飛行機操縦にとても興味があり研究職をしていた当時、実験データーを取得中というか仕事中にインターネットでバンクーバーにあるフライトスクールのウェブサイトをみてたんですね…それで、その時になんかうわっと思い立ってその年の年末に1週間の航空留学を体験することにしました。
インストラクターと共にバンクーバーの空を飛び、失速、スピンといったエアエクササイズも経験し、ウィスラーの雪山やその狭間にある美しい青色の湖を空から観てその全てに一瞬で魅せられてしまいました。
その当時英語なんて全くできませんでしたが、それらの感動が冷めやらぬ内にその数カ月後に会社を辞め自家用飛行機の免許取得のためバンクーバーに行く決意をしました。学校ではもちろん英語で授業を受けますのでバンクーバーに着いてからはまずは市内の英語学校に入学し約1ヶ月集中して英語を勉強し(もちろんそんな短期間で上達なんてしませんでしたがf^_^;)その後すぐフライトスクールに入校しました。
幸い僕と同じく飛行機免許の取得を目指し来ていた日本人が沢山いてその仲間と切磋琢磨して大変充実した生活を送ることができました。誰が一番最初にソロで飛べるかなんて競い合いながら楽しくて刺激一杯で本当に仲間には助けられました。ありがたかったです。このソロで飛ぶ、一人で飛ぶというのが非常に大変で、いくつかの試験をパスしないといけません。
僕にはこれが21に見えますけど 正常ならば74だそうです。 |
有名なあの石原式の色盲検査、数字を読むあれが幾つか分からないものがあります。。日常生活では全然問題ないのですが、小さいころこのテストを受けた時はあぁ僕は色盲なんだと少しショックを受けたのを覚えています。そのことをすっかり忘れていた僕はこの検査表が出てきたときは「あっやばい!」と本当にドキドキしました。検査医に聞かれてもやっぱり数字が分からない。段々先生の顔が渋くなってこれはいかんねと。あーこれで自分の夢も終わりだぁ。。。と非常に愕然としたことをいまでも鮮明に覚えています。でもその先生はこの石原式がある程度は有効であるけど全員が全員これで判断できるものではないことを知っていました。そこでその先生はここではできないけども別のところで別のテストを受けて来なさいと仰ってくれました。それがD-15という検査でした。
近い色を左から順番に並べていく色盲検査D-15 |
全部並べ終わって、もう一度よくみて何回も何回も見直しました。なんせ自分の大事な夢がこれに掛かっているんですから。これがパスできなければもう終わりですよ。ドキドキしながら先生を呼びました。「大丈夫?この並びでOK?」みたいに聞かれて「大丈夫です。。」と答えると、先生が「これをひっくり返すと全てのピースの裏に数字が書いてあってそれが1から15まで順番通り並んでいたら合格。」と言われました?これ書いていてもその時のドキドキ感が蘇ってきます。それで先生がバーンとひっくり返しました。もう目を覆いたくなるような気分でした。
結果は、見事綺麗に1から15まで並んでいました!
自分でも信じられないくらい見事に並んでました。それを見た時は本当にうれしかった。自分は色盲ではなかったこと、これで空を飛ぶことができるという一つの資格を得たこと。本当にうれしかったですね。実は僕は今事業用操縦士免許も持っていますが、事業用だと航空身体検査が第一種となり免許を維持していくには毎年身体検査を受けてパスしなければなりません。身体検査を受けるたびこの石原式で色盲検査を受けますが、危うく感じた時はこのD-15をパスしたことを告げるようにしています。
いつも色盲の検査を受ける度にこのD-15の検査を思い出します。D-15があってよかった。これがなく石原式だけだったら僕は色盲と判断され念願のパイロットのライセンスを取得できなかったのですから。
長々と僕の色盲の話を書いてしまいましたが、次回は他の試験の話、そしてソロフライトの感動をお伝えできればと思います!お楽しみに~!
後編はこちら、3. [思い出のフライト1の続き] 興奮しまくった初めてのソロフライト (My first solo flight) 後編です!
ありがとうございます。
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こんにちは。初めてブログを拝見しました。
返信削除カナダで事業用操縦士として活躍されているなんて素敵ですね。
私もパイロットを夢見ているのですが、やはり航空身体検査の色覚の項目が気になるところです。
今回の記事では、石原表またはD-15検査を行うとのことでしたが、このことについてもう少し詳しくお尋ねしてもよろしいでしょうか?
海外で活躍する日本人パイロットのひとりとして、Takemotoさんのご活躍を祈念しております。
ATさん、初めまして!このブログにお越し下さり、記事を読んでくださってまたコメントありがとうございます!!
返信削除僕なんかまだ夢にも届いていないので恐縮です…
あの色盲のテストに関しては記事の通りですが、是非何でもご質問くださいませ。答えられると良いですけども…f^_^;)
ATさん、イニシャルが一緒ですね?!
あき
お返事ありがとうございます。
返信削除それでは早速ですが、カナダの航空身体検査では日本と違いアノマロスコープやランタンテストも検査項目に採用されていると聞きました。(ソースのURLを載せていいものかわかりませんでしたが)
私自身は石原表とD-15検査の二つしか受けたことはありませんでしたが、石原表は読めず、D-15検査では第二色盲と判断されました。日常生活では特に困ることもなく、車の免許も取れています。
あきさんはお医者さんではないのではっきりしたことは言えないと思いますが、カナダで採用されている色覚検査のいずれかをクリアすれば石原表やD-15検査を完璧に並べ切ることができなくても良いのでしょうか?
つまり、日本の航空身体検査はパスできないので、自分の色覚で航空身体検査をパスできる国で働きたいという考えのもとです。
細かい質問になってしまいましたが、よろしくお願いします。
すみませんATは私のイニシャルではないんです 笑
ATさん、こちらこそお返事ありがとうございます。
返信削除ここカナダで何度も航空身体検査を受けてますが、1度もアノマロスコープやランタンテストを受けたことがないです…何回受けても石原表は出てきますが、全部答えられなくても特に失格になることなくまたd-15も本当初めの一回きりでその後は受けたことがないです。つまり日本よりカナダの航空身体検査は色盲に関しては優しいのかもしれません…って勝手なこと言ってますが、一度こちらで受けてみるのもありかもしれませんね!(^-^)/
メールでも結構ですのでいつでもご連絡ください!応援します!
丁寧に説明していただきありがとうございます。
返信削除なるほど、毎回石原表を使ってるんですね。
確かにカナダの基準で受験するのが間違いないですね。日本でも受けられる病院があるみたいなので検討したいと思います。
コメント欄でたくさん質問をしてしまいましたが、あきさんのおっしゃる通りまた聞きたいことがあったらメールにて連絡させてもらうかもしれません。
お忙しいとは思いますが、その際は是非またよろしくお願いします。
あきさんのますますのご活躍を祈って。
Good Luck
カナダに来たことはございますか?ぜひいらしてください。そのときは一緒に空飛びましょう!そちらでの航空身体検査に無事パスされることを願っております。いつでもお気軽にコメント、メールくださいね!お会いできる日を心から楽しみにしております^^
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