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どこに行ってもトイレットペーパーは絶えず品薄状態。 |
4月4日現在、全世界のコロナウイルス感染者数はあっという間に100万人を超え、死者は6万人に達しました。。。つい数か月前と比べると驚くべきスピードで広がっていますね。。。我々個人としてできることは、やはり無用な外出を避け、手洗い、うがいを常に行い、買い物に行った際は人との距離をとる。早くワクチンが開発され、終息に向かってほしいと切に願うばかりです。
カナダもやはり3月の中旬から大きく増加してきて、今現在は、感染者数は1万2千人を超え、死者数は188人となっています。
その大きく増加した3月のカナダ政府の動きなどを簡単にカナダ全土の感染者数とともに掲載(記録)しておこうかと思います。
3月4日(感染者数:37人)
COVID-19の保健・経済影響に関する新内閣委員会の委員長に任命されたフリーランド副首相は国を挙げて対応する必要があると4日の記者会見で述べ、①国家総出で取組む必要性を強調、②国民への協力を要請、③財政出動のゆとりがある旨を指摘、④諮問パネル設置の可能性を示唆。
またハイデュー保健相はその4日の記者会見で、これまでのところは各地の公衆衛生機関が感染者と接触した可能性がある人物を追跡できているが、いずれは市中感染(community transmission)が起こる可能性があると警告。
3月5日(感染者数:49人)
ポロス加銀総裁は5日のスピーチで、COVID-19が加経済に及ぼし得る最も深刻な影響は消費者景況感の悪化とそれに伴う需要減であるため、ウィルスの実質的な影響が到来する前に明確かつ決然たる措置を通じ利下げという先手を打つ必要があったと説明。
3月6日(感染者数:54人)
連邦政府は、COVID-19集団感染への対応措置の開発・試験・実施の加速を目指す47の加大学研究チームに総額2680万ドルの助成金を提供すると発表。研究者等は異例の早さでチームが選定されたことを評価・歓迎。
3月7日(感染者数:64人)
カナダの労働市場は2月も引き続き堅調(雇用数3万人増、失業率5.6%、賃金上昇率4.3%)。ただしCOVID-19で先行き不透明。また貿易収支赤字が1月に予想を上回る14.7億ドルに拡大。COVID-19で対中貿易も相当減少、中国人環境客も激減。そして連邦政府はCOVID-19に対応できるよう予算方針の予備費を増大へ。ただし財政の健全性は維持、気候変動対策も並行して重視。
3月9日(感染者数:79人)
初の死者( BC州にて)。政府は州への支援体制確立を促進、グランド・プリンセス号の乗客帰国を手配、クルーズ旅行の全面回避を呼びかけた。
3月10日(感染者数:108人)
公衆衛生当局は,学校の休校、イベントの中止、渡航制限等を指示するのは時期尚早との見方。グランド・プリンセス号乗客は無事に今朝帰国した。エアカナダがカナダーイタリア便の運航を停止。
3月11日(感染者数:117人)
トルドー首相が10億ドルのCORVID-19対策第1弾を発表した。
①5億ドルで州・準州の医療制度の強化
②2.75億ドルで医薬分野におけるR&D拡大支援
③2億ドルで公衆衛生庁による備品調達・啓発活動、先住民医療などを強化
④隔離者に対する雇用保険の傷病手当の適用規則緩和、ワークシェア適用期間延長
⑤50百万ドルをWHOへの追加拠出
総力を挙げて支援にあたる決意を表明。経済界は的を絞った堅実なアプローチを称賛した。
各州が在宅検査の拡大に着手。WHOのパンデミック宣言を受けて連邦政府はカナダの対応が適切である旨強調し懸念払拭に努力している。
3月12日(感染者数:193人)
モルノー財務相は11日、同日に発表した10億ドル超のCOVID-19対策に関する下院答弁で、今月30日に連邦政府予算方針を発表する予定であると表明。また連邦保健相は「対応を誤れば国民の30~70%がCORVID-19に感染するリスクがある」との見解を表明。
12日にトルドー首相夫妻が自主隔離を開始(この時点で症状はなし)。
オンタリオ州政府は12日、3月14日~4月5日までの3週間の間、公立学校(高校以下)を休校とする省令を発出。同州内の生徒約200万人に適用される見込み。
またケベック州政府は12日、250人以上が参加する大規模なイベント・集会を即刻禁止するとともに、海外から帰国した公務員すべて(託児所職員、教員を含む)に対して,14日間の自主隔離を義務付けた。
3月13日(感染者数:198人)
連邦政府がCORVID-19感染拡大を抑制するために4月20日までの休会を全党一致で可決。
モルノー財務相、ポロス加銀総裁、ルディン金融機関監督庁長官は13日の共同記者会見で、先に発表した11億ドルの影響緩和策及び0.5%の政策金利引下げに続くCORVID-19緊急経済対策第2弾として、
①カナダ事業開発銀行(BDC)とカナダ輸出開発公社(EDC)による加企業への融資枠の即時拡大(100億ドル追加)、
②政策金利の0.5%引下げ(1.25%→0.75%)、
③重要行(SIB)とみなされている加6大銀行に保有を義務付ける資本保全バッファーの引下げ(2.25%→1%)。さらにモルノー大臣は来週に(第3弾として)追加景気刺激策を発表することも発言。
また外国旅行全般の自粛勧告、国際線の着陸空港限定、クルーズ船入港禁止で外国発感染への対策を強化。
ケベック州に続き、アルバータ州及びオンタリオ州も250人以上が参加するイベント・集会を自粛要請、ニューブランズウィック州も150人以上の集会を自粛するよう通知。また、BC州・アルバータ州に続き,連邦政府もすべての国への海外渡航の自粛・帰国後の自主隔離を要請。
3月15日(感染者数:415人)
カルガリー市が緊急事態宣言を発動、市営施設等を閉鎖。オタワ市も市内感染急増の可能性を警告、社会的距離の実践を強く勧告
3月16日(感染者数:478人)
連邦政府(トルドー首相)は16日、の入国制限措置を発表
①18日正午からカナダ市民及び永住権保有者以外の渡航者の入国を禁止(例外:航空機乗組員、外交官,米国市民等)、
②18日午前12:01以降、国際線の受入れ空港を4ヵ所(モントリオール、トロント、カルガリー、バンクーバー)に限定(米、墨、カリブ海、仏領Saint
Pierre と Miquelonからの国際便はこれまで通り他空港でも着陸可)。なお、外国からの渡航者は入国時に自主隔離を要請されるが、essential
worker(航空機乗組員、トラック運転手など)は例外。
3月17日(感染者数:657人)
トルドー首相はインタビュー及び国民への声明で、明日18日に国民・企業に対する大規模な追加支援策(雇用保険に加入していない国民約30%に対する経済的支援など)を発表する意図を表明するとともに、今週中に所得税の確定申告期限を延長する可能性等につき発表を行う旨も発言。
連邦政府は「非常事態法」発動の可能性を検討。
オンタリオ州
州内初の死者が出た。非常事態宣言を発動、31日まで公共イベント禁止、レストラン等を閉鎖。
アルバータ州
非常事態宣言を発動、50人以上の集まりを禁止
BC州
オンタリオ州に続き休校を決定。期間は未定
またカナダの6大銀行は、CORVID-19の影響を受ける顧客(個人、小企業)に対し、最高6ヵ月の住宅ローン返済猶予等の柔軟な対応を含む経済的支援を協調発表。
3月18日(感染者数:800人)
連邦政府は、COVID-19経済対策第3弾として国民・企業に対する820億加ドルの緊急追加支援を発表。うち270億加ドルは直接支援で
①雇用保険が適用されない者への「緊急医療手当」、
②解雇を阻止するための雇用主への賃金補助、
③児童手当増額、
④低所得者を対象とした消費税還付額増額など)、
550億加ドルは個人・法人所得税の課税繰延補填(8月末まで)。モルノー財務相によれば,政府はさらに航空業界とエネルギー業界に対する経済支援措置をまとめているとのこと。
カナダとアメリカが「不要不急の」国境往来の一時的禁止に合意。開始時期は「調整中」とのこと。
州・準州政府が相次ぎ非常事態を宣言
ケベック州(15日)、PEI州(16日)、オンタリオ州(17日)、アルバータ州(17日)に続き、17日に7人目の死者を発表したBC州も18日に非常事態を宣言。複数の州が非常事態宣言を出したことで、「緊急事態法」の発動の可能性を検討している連邦政府への影響が注目される。
エアカナダなどカナダの航空会社(ポーター航空、エアトランザット、ウェストジェット、さんウイング)が相次いで国際便の一時停止を発表し、連邦政府に救済措置を要請。
3月19日(感染者数:943人)
カナダとアメリカの国境の一部閉鎖は明日20日夜~21日朝に開始される可能性。
ビッグ3と日系自動車メーカー(トヨタ、ホンダ)がカナダを含む北米工場の一時休止を発表。理由は従業員の安全配慮。
3月20日(感染者数:1,300人以上)
カナダ企業も数千人規模の人員削減を開始。
トルドー首相は状況報告で、過去4日間に雇用・社会開発省が約50万件の雇用保険申請を受領(昨年同週は僅か2万7000件)。専門家によると、これは加の総雇用数の2.6%にあたり、大恐慌中の最悪の月(1932年7月)の雇用喪失に匹敵する水準。
3月23日(感染者数:2,800人以上)
トルドー首相は22日、下院を24日正午に臨時召集し、先般発表した個人・企業を対象とした820億ドルの緊急経済対策を執行するための法案を迅速に審議・可決すると表明。
またカナダ農業公社(FCC)を通じた農家・農業食品ビジネスに対する融資枠を50億ドル分拡大するとし、本23日から申請の受付を開始すると表明。
カナダの主要経済団体(カナダ独立事業者連盟、カナダ・ビジネス評議会など)は、休業を余儀なくされる企業の従業員の賃金の75%~80%を政府が3ヵ月間支給することで解雇を阻止しつつ、迅速な経済回復を促す「経済凍結」策を打ち出しているデンマークや英国に追随し、18日に連邦政府が発表した賃金補助率(10%)を大幅に引上げるよう要請。
トルドー首相は10億ドル超のCORVID-19対策中R&D補助金275百万ドルの支出先を公表。狙いは国内の既存のCORVID-19ワクチン・治療法の開発加速と生産能力増強。支援先は①AbCellera社(治療薬開発),Medicago社(ワクチン開発)、②サスカチュワン大国際ワクチンセンター、③カナダ国立研究機構(ワクチンの試験と産業生産体制構築)、④BlueDot社(感染病監視・追跡)。カナダにはワクチン生産能力がないため大半を外国大手から購入。
3月24日(感染者数:3,300人以上)
「COVID-19緊急対策法案」に関する下院審議が難航。課税・歳出決定権限の委任条項に野党が強く反発
オンタリオ州とケベック州が24日夜から必須サービス以外のビジネスの一時閉鎖を命令。
IOCが東京五輪の一年程度延期を決定。カナダのオリンピック関係者は決定を歓迎。
ウェストジェットが6900人の人員削減を発表。エアカナダも600人のパイロットを一時休職とすることで組合と合意。
24日深夜からオンタリオ州とケベック州が施行している不要不急のビジネス休業指示により、両州の経済活動の約半数が停止。特にケベック州での影響が大きく、中小企業のみならずエアバス、TC
Transcontinental、ボンバルディア等の製造大手が一部の部門(軍事機器製造、航空機整備、食品梱包など)を除き操業を停止し、従業員を一時休職に。
3月25日(感染者数:4,000人以上)
先週1週間で100万人近くが失業手当を申請。深刻な経済減速が浮き彫りに。
隔離法に基づき,陸・海・空路、症状の有無にかかわらず必須労務者以外のすべての帰国者に14日間の自主隔離を義務付けた。違反者には罰金・禁固刑を課す。
3月27日(感染者数:5,600人以上)
カナダの感染者数は依然として増加しているが、タム首席公衆衛生官が26日の記者会見で述べたところによると「致死率はわずか1%であるため、現時点ではまだ医療システムの対応能力は超えていない」状態。ただし、高齢者の死亡リスクが高いことに触れ、感染を予防することの重要性を改めて強調。
「加の食料供給は安泰」との連邦・州政府の保証にもかからず、買い占め行為が依然として継続。
加自動車部品最大手マグナ・インターナショナルは、同社の欧州工場でマスクを増産し,イタリア等へ供給している。メキシコ工場でもマスク製造を早急に行う予定。また,同社製品であるアイスホッケー器具用の除菌剤を一般向けに量産することを検討中。
3月29日(感染者数:7,400人以上)
タン首席公衆衛生官は29日、入院・重症・死亡患者数の急増(各々総感染者数の7%弱、3%、1%)、特に市内感染(65%)が拡大しているON、QC、AB各州の状況に強い懸念を表明。ON州の医師によれば、このままでは同州内のベッド、人工呼吸器が来月中旬には不足するおそれが高まっているとコメント。またBC州では減速の可能性が見られるとしつつ、今週からsocial distancingの成果が見られる可能性があると指摘し、重要な局面に差し掛かっている旨強調。
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人との接触を避け、2mはあけること |
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スーパーの入り口は一つに絞られ、2mの間隔をあけて人数制限のためお店の前に並ぶ |
3月30日(感染者数:8,500人以上)
トルドー首相は27日に発表した賃金補助率引上げ(10%→75%)に関する追加的なコメント。「カナダ緊急賃金補助」制度はCORVID-19の影響で収益の30%を失った企業等全般に対し、従業員数・事業形態にかかわらず(1人最高58,700ドル)賃金の75%までを政府が支援。
加政府は中国からのマスク等の支援を歓迎しつつも,加の水準を満たすか否かテストを実施する予定。
トルドー首相は,現時点では感染者のトラッキングや予測目的で個人情報となる通信データの利活用には慎重な姿勢を示している。ただし,カナダ政府も将来の利用の可能性は否定せず。
エアカナダは30日、全従業員の約半数にあたる16500人を4月3日から一時解雇すると発表。6月まで旅客輸送量を85~90%削減するためで、収益急減に対応するため5億ドル分のコスト・設備投資の削減も検討中。
3月31日(感染者数:9,600人以上)
米国の人口は加の9倍であるが、感染者数は20倍、死亡者数は25倍、感染率は3倍。ただし,今後の影響は注視する必要あり。米大統領は30日にカナダ・ヨーロッパからの渡航制限を4月30日まで延長する旨発言。
感染者が急増し、医療品不足への懸念が各地で高まる中、加政府は31日に州・準州用を含む個人防護具(PPE)の購入に20億ドルを投入すると発表。
世界中の人々がコロナによって感染したことで改めて僕たちは世界中の人たちと繋がっていることを再認識でき、やっぱり人は人のぬくもりなしでは生きられないと。これが終息したとき、僕たち人類はこれまで以上に人との接触を素敵に思い、人を思いやる心が大きく広がるかもしれません。普段気にせずできていたことに対しても大きなありがたみを感じると思います。
亡くなった人たちのご冥福を心からお祈りいたします。
そして、互いにソーシャルディスタンスを保ち、手洗い、うがいを常に行い、一刻も早く終息することを願っています。