前編:ユージーンおじさんとのファーストフライトの記事を書いてからまた随分と経ってしましましたが(ていうかもう約1年前!^^;)、後編を書きたいと思います!まだ読まれてない方、忘れちゃった方、覚えてないよ!って方こちらから読んでくださいませ。結構長い記事かもですが、ユージーンさんとのびっくり連続のフライトどうぞお楽しみください!
飛行機に付いていた霜や氷などを丁寧に取り、点検(ウォークアラウンド)を済ませた後、いよいよクロスカントリーフライトです。フライトルートはこんな感じで、車で行くと約420km約5時間といったところです。飛行機だと時間約半分なので各空港でゆっくりできます。
東西に設置されたマーカム空港(CNU8)の滑走路27を西に向け離陸して右へターンして北にあるレイクシムコーリージョナル空港(CYLS)へ向かいます。するとすぐ右手にストッフビルの住宅街が見えます。
通常離陸後は高度を上げていきます。高度を上げる理由、利点は色々とあります。まず一つは地上の障害物を避けるためです。電波塔、パワーライン、ビルなどにもちろんぶつかりたくないですもんね。また高いところにいると突然空中でエンジンが止まっても下に落ちるまで時間が稼げることです。その間にゆっくりと焦らずに緊急着陸できる場所を選定したり、MAYDAYコールを発信してエンジンの再起動を試みることができます。また小さい飛行機はエアラインの航空機のような高い高度を飛べませんが、高いところはみなさんご存知のように空気が薄いので空気抵抗が少なくより前に進みやすくなります。飛行効率がよくなり少ない燃料でより遠くまで飛べるというわけです。
でも前編でお伝えたように、ユージーンさんのフライトはちょーっと違いましたよー。。
離陸してある程度上昇すると約1700フィート辺りでレベルオフしました。マーカムのエレベーション(標高)が800フィートくらいなので地上から約1000フィート(約305m)のところを飛び続けてます。サーキット高度と大体同じ高度のままです。僕がユージーンさんに「高度上げないの?」と聞くと「地上近くを飛ぶほうが速さを感じてクールでしょ?」と笑いながら言います。それはそうだけど!高度上げる理由や利点が。。。^^;
そしたらいきなり機首上げしてほどんど真上の雲がみえる。。。
Angle of Attack(迎え角)60度くらいあったんじゃないかな。。。
そしたら今度は90度ターン!!!その時の動画はこちら↓
通常は20度位のターンでゆっくりゆるやかにターンするものですけども。。。^^;
90度の旋回なんて初めて経験しましたが、セスナ機でもこんなことできるんだととても新鮮な体験で感動!
やっぱりこの人ただもんじゃない!
90度旋回を行った後は巡航飛行へ。でも依然高度は低いまま。
ユージーンさん、巡航時は落ち着いて操縦桿を握る。
そうこうしてるとシムコ湖がみえてきました。
白い砂浜のようにみえますが、これは氷です。
氷って岸際から段々と凍っていくんだなとこれまた感動。とても綺麗でした。
湖は結構透き通っていてなんかとても癒やされましたね。
シムコ湖を越えるとすぐに最初の目的地があります。
徐々にレイクシムコーリージョナル空港に近づいて来ました。
レイクシムコーリージョナル空港は管制塔がないノンタワー空港なので着陸の際は周りにいるトラフィック(飛行機)と交信して空港の真上を空港のエレベーションより1500フィート高いところ飛んで目視で空港の状態、風向、風の強さなどを確認します。
でも、ユージーンさん、
あれ?あれれ?進入することは無線で伝えたものの、そのまま滑走路に進入していく!?確かに他に飛行機がいなかったし滑走路の状態は良さそうですが、これまたびっくりしました。
通常の手順を思いっきり無視して飛んでいる。飛び方が自由なんですね。鳥のように自由に空を飛んでる感じで、本来こうあるべきなんじゃないかって思わせてくれる。でも無線など大事なところはちゃんとやっているというような飛び方。僕はもう何も言いません。ユージーンさんがキャプテン、パイロット・イン・コマンドですし。彼に任せ、彼の飛び方を学びたいと思いました。
ファイナルレグです。しかも結構高いアプローチ。これには理由があります。ターミナル(空港の建物)は進入した滑走路の反対側で唯一あるタクシーウェイ(滑走路とターミナルを繋げる道)は滑走路の真ん中に繋がっているためそこに合わせて着陸地点を決めています。その時のアプローチ動画になります。
想定通りの着地点へ着陸!
広いエプロンに飛行機を駐機して少し休憩。
この空港のターミナルはすごく立派でした。この空港には24席以下の飛行機であればジェット機でも離発着できます。IFRのアプローチも可能で、アメリカからジェットが飛んで来るようです。そのためCBSA(Canada Border Services Agency:カナダ国境サービス庁(入国審査・税関業務などを担当するカナダ政府機関))もターミナルにあります。
休憩後外にでるととある双発機が駐機しようとしてました。
機内には子供とおばあちゃんが乗っていました。なぜか僕に手を振ってくれてます。僕も迷わず手を振り返しました。「無事に到着して良かった、レイクシムコー空港へようこそ」といった感じで。
なんだか暖かい気持ちになって、さぁ次の目的地へ行こう!と駐機していた飛行機にいくと、ユージーンさんなにやらごそごそやってます。後ろからなにかを取り出したかと思ったら、計器全てに黒いカバーをつけています。
僕「ユージーンさん、何やってるんですか!?」
ユージーンさん「見ての通りだよ。さぁこの先はMr.Takemoto、君がキャプテンだ。」
僕「えー!!!殆どすべての計器なしで?」
ユージーンさん「そうだよ^^」
僕「。。。^^;」
ユージーンさんは本当型破り!Attitude Indicator(姿勢方向指示計:航空機の姿勢を水平線と比べて表示するようになっているもので、ピッチやロール(翼と機軸が水平か上向きか下向きか)を角度によって見分けることができる計器です。)などが何らかの故障で使えなくなった場合などを想定してその計器を隠し、外やその他の計器から情報を得て飛ぶように訓練しますが、全部隠して飛ぶなんて初めてです!
![]() |
Attitude Indicator (姿勢方向指示計) |
計器はすべて隠れているので外をみて情報を得るしかありません。でもこれが本来VFR(Visual Flight Rules:有視界飛行方式、目視で位置を判断して飛ぶやり方)の姿ですよね。外の景色がまた違ってみえました。
ユージーンさんは地図をもってません。もうこの辺は自分の庭のようにどこにいるかわかっているんでしょうね。「この辺を飛んでいる時にあの目印があんな感じで見えたら進路を大体の空港の方角に向ける」とった本当感覚で飛んでいる感じです。僕は一応地図を見て位置や方角を確認。ユージーンさんが言っていることちゃんと当たっています。やっぱりすごいです。
時々今高度どれくらいかとか速度はどのくらいだと思う?とクイズを出してきてその度に計器を隠しているカバーを開けて自分の感覚と合っているかどうかを確認するといったことを繰り返しました。
そんなことをしながら計器なしで飛んで、無事に第二目的地のパリーサウンドエリア空港へ到着。着陸速度はなんとなくこれくらいだろうってな感じで着陸成功。
この空港はこじんまりとした小さな空港です。
ユージーンさんの飛行機に「ちょっと待っててね!」と別れをつげて建物の中へ。
中には小さなレストランがありました。ここでランチを食べることに。僕は卵サンドイッチと今日のおすすめスープを頂きました。
ユージーンさんはとてもお話好き。ずっとこれまでの経験なんかを話してくれます。とっても良い勉強になります。でも熱弁すぎてこの後このコーヒーに手が当たって全部こぼしてしましました!ユージーンさんは本当に面白い!^o^本当に素敵な人です。
コーヒーを全部こぼしてしまったハプニングはありましたが、お腹も満たされて幸せな気分でパリーサウンドエリア空港に別れを告げて最終目的地に向け再び飛び立ちました。
段々と日が暮れてきて、なんか雰囲気がさらに良くなってきました。
自分が今とってもお茶目で素晴らしいパイロットと一緒に空を飛んでいることに感謝しました。
良い気分に浸っているとユージーンさんが「I have control.」といって操縦桿を握りました。またかなり低い高度で飛び始めます。
そしてここがこのクロスカントリーの一番のハイライトでした。凍ったとある湖の上スレスレを飛行したのです。
こんな事してもいいのかなとドキドキものでしたが、めちゃくちゃ感動!
夕日がとても綺麗。この間ユージーンさんも殆ど無言でした。
さぁ最終目的地のヒューロニア空港が見えてきました。こちらもある程度滑走路の状態を確認してファイナルレグへ進入、無事に着陸しました。
ここで燃料補給。ユージーンさんの飛行機通称「マッジ」にもやっとランチの時間がきました。燃料を入れてくれるサービスマンが夕映えてなんかかっこいい!
ユージーンさんはサービスマンにチップを渡していました。そういったことも勉強になりましたね。
さて、いよいよロングクロスカントリーも最後のルートです。ベース基地であるマーカム空港へ戻りましょう。
途中でハート形の島を見つけたり、空も綺麗。
夕暮れ時に飛ぶのが一番好きかも。
さぁ最後の着陸です。
無事にマーカム空港に帰還。
このフライト、なんとすべてユージーンさん持ち!払おうとしても「It's OK.」と言います。色んなところへいっていろんなこと学ばせてもらって、さらに実はランチまでご馳走になってしまったのに。なんとも幸せすぎるフライト、1日でした。
素直にユージーンさんありがとう。素晴らしい出会いに本当に感謝です。
このフライトの後も何回か一緒に飛び、ユージーンさんの知識を受け継いているところです。また機会あればユージーンさんとのフライト記事書きたいと思います。
長い記事、ご拝読ありがとうございました!それではまた!
ありがとうございます。